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<SF読みのSF>


私の蔵書の95%はSFである。それも小学生の頃のジュヴィナイル物から始まる気合いが入った(又は偏った)嗜好である。 中でも最も多いテーマは破滅ものであったが、最近(ここ30年くらい)は買う気にさせる破滅物がなく、購入頻度が 極端に減っている。と、ここまでの文章でフィリップ・ワイリー&エドウィン・バーマーの「地球最後の日」を思い浮かべた 方は間違いなく私と同趣味である。

また、木星をマイクロブラックホールにぶつけるとかいう、日本SF映画の息の根を止めたC級映画を はじめとして、最近は原作は読み応えがあっても映画がB〜C級になってしまうという悲しい傾向があるように思う。 殊に旧作だけの記憶に留めておきたかった某氏の有名作品で最近リメイクされた日本なんとかという映画はひどかった。 特殊兵器・特殊爆弾の類でストーリーを強引にねじ曲げることだけは絶対にやって欲しくない。 誤解のないように書いておくが、評価は作られた時期にもよると思う。オキシジェンデストロイヤーは上記の 特殊兵器の評価からは除く。

という訳で、日本語訳で飽きたらず、原書を買ってしまった、ストレート勝負のSFを紹介したい。(ネタバレは無し) といってもSF界の2大巨頭の作品だけだが・・・。原書を購入して紹介していないのは、あとアイザック・アシモフと J・P・ホーガンくらいである。



cover of CTHE_MOON_IS_A_HARSH_MISTRESS

日本語版はとうとうすり切れて2冊目の購入を考えているがなかなか重版が出ない、邦題「月は無慈悲な夜の女王」である。 作者は紹介するまでもない、ハインラインである。最近になってNASAが有人月面基地の具体的な計画を発表し、とうとう 月面もリアルな世界になる日が近づいてきた観がある。この計画とムーンベースアルファとの格差もまだ相当あるので 現実になるのは随分先のことだろうが。

コンピュータに知性があると見なすかどうかの判断基準はとうの昔にできあがっている。チューリングテストの 定義をググるなどして調べればたくさん情報が出てくるだろう。

トップページにも記述した「タンスターフル」は直訳すれば「無料の昼食は無い」という意味である。作品中では 、月世界市にあるレストランに掛かっている「昼食無料」の看板に関する会話に出てくる。そのレストランでは昼食以外のメニューの 価格の話で説明されているが、月では呼吸する空気さえも無料ではない、全ての行動には何らかの見返り(コスト)が 必要であり、無料の提供・サービス・役務などというものは世の中に無い、という意味を含む。これは地球上のあらゆる 行動にも当てはめることができる。(とハインラインは主張している)



cover of FARMAR IN THE SKY

これも大ハインラインの作品である。邦題は「ガニメデの少年」。この作品のみならず、ハインラインの作品は全て虚構世界 が当たり前に存在するかの如き精緻な書き込みがなされている。この作品も、なぜいきなりガニメデなのかに疑問を抱かせること なく、ブレードランナー的な状況になっているらしい地球から、これも最近とかく話題になっている東アジアの某国と同じ ような宣伝の「地上の楽園」、ガニメデへの入植の物語である。 この作品は1テーマではまとまらないスケールの大きな展開を見せるが、ネタバレ無しの約束通り、ここには書かない。



cover of A SPACE ODYSSEY 2001

この作品について野暮な説明は不要だろう。A・C・クラークの邦題「2001年宇宙の旅」である。既に2001年は過去になってしまったが この作品、またキューブリックとの合作である映画は、SF史・映画史に永遠に残る不朽の名作であり続けるだろう。何しろ、NASAが実際の 惑星間航行宇宙船の設計をこの作品とクラークに求めたといういわく付きである。残念なことはHAL9000に匹敵するコンピュータが未だ 実現していないことと、映画中に出てくるPAN AMが連邦法チャプター11の適用を受けて解散してしまったことである。HAL9000同等性能の コンピュータは何れ具現化できるだろうが、あのPAN AMのマークがついたシャトル備品は永遠に実現不可能となってしまった。

参考までにあと1社、映画に登場する宇宙船にそのマークを付けてもらった(2007年現在)実在の航空会社がある。作品の冒頭に出てくるが、 作品名は探す楽しみの為にここでは伏せておく。



cover of THE CITY AND THE STARS

これもクラークの不朽の名作である、と私は思う。舞台は遠い未来の地球だが登場するのは・・・、ネタバレになるので伏せておく。この作品中に 人類が生存する上での永遠のテーマが記述されている。作品の筋を明かすことにはならないので、ここに特に記述したい。少なくとも 工学を目指した者にとっては正に永遠のテーマと云える。

No machine may contain any moving parts.(機械は、いかなる可動部分も持ってはならない)

Here was the ultimate expression of that ideal. Its achievement had taken Man perhaps a hundred million years, and in the moment of his triumph he had turned his back upon the machine forever.

from THE CITY AND THE STARS written by Arthur C. Clarke by A SIGNET BOOK




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